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津から大阪へ

 三重県での後見の仕事は何事もなくすんだ。長唄の今藤尚之師が私の後見ぶりを褒めて下さった。が、力の配分が中庸になれない。特にこの会は各流だから同じ演目でも小道具ひとつ、後見座へ入ってくるイキもあまりに違う。ミスはないが、集中力に欠けるのがもうひとつだ。70点の出来か?

 踊りでは、三津之丞師振り付けの「楠公」が、曲や詩をあえておおまかに捉えて動きをおさえるので、人物の大きさを出す手法がよく表現されていた。また長い時間を正成一役だけで振り付けしきってしまう力に感嘆した。
 勝美伊三次師の「峠の万歳」は二度目だが、その飄々としたさまを目に焼き付けておいた。今の自分にはできなくともいつかあの役はああ踊りたいと思う。この師の幇間による「俄獅子」なども見事だが、もっと評価されてしかるべき芸だ。
 
 ホテルの事情などあってそのまま近鉄で難波へ。1時間半で値段も安い。初めて使ったが空いてもいるし、わざわざ名古屋まで出なくていいのが便利。
 夕食は法善寺にある店を確認しながら、気になる地鶏の店「吉よし」に入る。ここは宮崎産を使用しているとのことで、心斎橋が本店で法善寺と宮崎の3店舗だけとのこと。鳥刺しの三種をはじめ鳥の寿司まである。肉の甘みがあって、2種のタレや薬味を変えながらいただけるので、何倍にも楽しめる。店内も黒いカウンターだが気取りなく、店長らしき人物と何度も目が合った。今度はこの人のそばで飲んでみよう。
by nihon_buyou | 2009-06-22 08:33 | 伝統芸能・日本舞踊・能狂言
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