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3.4

 その人の考えや居方、もっと突っ込んで言えば存在によって気の地場のようなものが微妙に変わることがありますね。
 会社や個人の付き合いにしても、うまくいく所とそうでない所、特に今まではうまくいっていたが、悪い方向に向いてきた時などは、これが関係することがあるものです。そこで誰もが占いや霊能者に頼るわけですが、そういう一種のショック療法も効果を挙げることもありますが、ふだんから人の流れ即ち交流を見ていれば自分から気づくことが往々にしてあるものです。

 一番気をつけなければいけないのは人の出入りで、特定の個人が背負ってくるものがその場に影響を与えることがよくありますね。単純には明朗活発な人が来れば場はなごみ、明るくなりますが、中心人物が暗く澱めば場全体が沈滞します。実は個人の中でも同じことが起きていて、明るさや幸福感に満ちている時はさらなる幸福を招きますが、ふさいでしまえば余計に物事がうまく運ばなくなります。実力はあってももう一つ評価されない、幸せから縁遠くなるのはついパターンとして同じ穴に落ちたがるからですね。

 会社がうまく行かない時も経営などの見直し、立て直しが急務ではありますが、一方の身近で人の気の澱みが良い形の交流をスムーズにしていないに気づくだけで随分と変わることがあります。
 個人の家では特につまらない噂話や情報が入ることすら、私は気が汚れると警戒しています。人の批判や噂には野次馬的好奇心がむくむくと湧きがちです。が、この手のものはパソコンに紛れ込むウイルスと同じで、気の流れにまき散らされた悪気といったスパイデータのようなものです。これに関してはデータを開くだけで汚染されるのと同様に、話題にしたり、特にはその情報を持ち込んだだけでも気が変化する場合があります。単純にいえば、くだらぬものに心動かすことは、特にわれわれ芸能をする人間には厳禁ですし、暗く落ち込んだり汚れた気で観客や門弟に接するのはウィルスをまき散らすに似た行為ですから断じてしてはならない戒めなのです。

 とにかく幸福は幸福を招くという体験智や道理からも、自分を幸せと思い、暗い気や汚れた気と付き合うのは避けねばなりません。疲れていてもうまくいってない時ですら、そちらの気に付き合うのはやめて、敢えて自分に元気だと言い聞かすくらいの心がけをしないで人前で芸能に携わるのはあやまりですね。
by nihon_buyou | 2010-03-04 06:03
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