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氷る熱湯  森下洋子の「ロミオとジュリエット」4.30

 何故かこちらとしては理由もなく冷たい態度をとられる人が最近ふたりいます。
お一人は研究者で、能楽堂で会っても知らん顔をされるのです。以前は親しく話をさせて戴いてました。もう一人はマスメディアの方でメールを何度出しても返信すらありません。こちらの方とは何度か飲みに出かけたりもしました。
 いずれも女性です。男性とですと、はっきりとした理由や思い当たる亊件があるものですが、女性ですと、こちらは気がつかない間に関係希薄というか、バッサリ切られているなんてこと、たまにあるものですね。まあ、こちらとしては何も悪いことをしていない(つもり?)ですから、却って不愉快に思っておられる方にお気の毒としか言いようがないのですがー(笑)

 それはともあれ、昨日は国立能楽堂で珍しい狂言「浦島」を見てご機嫌になれました。
 老人になった浦島が、再び玉手箱を手に入れ、今度は若返るという内容で、そのめでたさと元気な野村小三郎の欣喜雀躍とした演技に、こちらまでハッピーな気分になれたのですからー

 ホントは3日にオーチャードである松山バレエ団「ロミオとジュリエット」に仕事でどうしても行かれないため、無理を言って調布グリーンホールでの公演を拝見させてもらいました。
 他のバレエ曲ほど感動的なメロディーのない作ですが、振り付け(清水哲太郎)が細部に至るまで目の行きとどいているせいで、群衆一人一人が生き活きとしています。ふつうのコールドは精密なクローンなほど美しさを醸成しますが、こちらはまさに群れる舞です。同じ振りで動く場合と、異なる振りの時とさまざまでしたが、まるでオーケストラの楽器が肉体に権化したようでした。またデュエットにおいても従来の振りの中に新機軸の動きをそっと、しかも大胆に忍ばせてくるのでたまりません。
 
 森下洋子さんは、二人の出会いの長い長いストップモーション(ここで相手の清水さんの微妙に崩れていく手の表情もスゴイのですが)の後、ついに出会うべくして会ってしまった運命を身に反芻するシーンで、いっぺんに全人生の時間を体験してしまったかのように老けてしまうのは壮絶でした!あの華やぎ弾んでいた女性が、あっと言う間に陰、闇に入るのです。恋とはときめきなんていう生やさしいものや憧れではなく、それまで生きて来た全時間の消去、まったく別の生き物に生まれ変わる覚悟でもあるのだと思い知らせてくれます。

 こんな森下さんの全体表情は、この作品では教会での命がけの祈りのシーンをはじめ随所で見られます。まさにそれはたぎった熱湯が一瞬にして氷ったような時間の現出でした。

 よく古典芸能通なら「六代目は良かった」「山城を生で聴いた」なんて言い方がありますが、私はいま清水哲太郎と森下洋子を見ていると、同じ時代に生きていられて良かったと心から感謝したくなるのです。

 カーテンコールの時、「ブラボー」の嵐でしたが、それにも増して2列後方の男性が何度も「ありがとう!」を繰り返していました。その時、私も同じ気持ちでこみ上げてくる涙を抑えるのに必死でした。

ーーーありがとう!---
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by nihon_buyou | 2010-04-30 07:48

4.29

 また書き始めたブログが、更新のために消されてしまい、書く気がおきなくなってしまいました。

 また気が乗ったら改めてということでーーー今日は能と森下洋子さんの「眠れぬ森の美女」の掛け持ちです!!!
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by nihon_buyou | 2010-04-29 10:39

買い物の浅草 4.28

 今日はおどりの空間の新舞踊講習会。雨にも拘わらず、おおぜいの方の参加。いまCM等で話題の「また君に恋してる」を課題曲にしたことが大きかったようです。

 帰りに宮田レコードで「四世清元梅吉 至芸の世界」購入。LPレコードで出版されていたものが集まっているので、手に入りずらかった音源だっただけに助かる。

 飯田屋さんでは扇子をなんだかだと七本購入。両店ともよく応援してくれる店なのでたいへん感謝。
 都営地下鉄浅草の傍にある仏具屋で線香やろうそくなど…浅草へ行くとついつい買い物が多くなってしまいます。
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by nihon_buyou | 2010-04-28 21:03

ベジャールの日本 そしてまたまた夢の話  4.25

 昨日は東京バレエ団、モーリス・ベジャールの「ザ・カブキ」現代の若いカップルがお軽勘平の魂とすり替わっていくあたり、同じくネクタイを締めた男が物語に同化し大石にんなっていくプロットが、日本とこの国における忠臣蔵の根強い心意を見事に美しくも激しく捉えている。また四段目松の廊下事件までの舞台装置の高さを12尺という、バレエではありえない低さに敢えて取り、ホールの高い一文字に黒の破風、そのあわいを大黒で結んだあたりが実にベジャールの歌舞伎へ対する的確な目を感じる。いわば絵巻物の中での出来ごとなのだ。

 が、これらの優れた感性を引いても、全体としては日本を身売りしたような作になってしまっている。特に武士のすり足、刀の構え、切腹という彼が最も心惹かれ、バレエの技術を捨てても選んだ「しぐさ」がチンケなのである。しかもそれを日本人であるダンサーがやるからなおいけない。単なるエキゾチズムと憧憬はあっても、外国人からの批評が存しない限り、変わった見世物の気分になる。詳しくは改めて書きたい。

 その後、筧・高谷さんと新宿のミラクルという小劇場で石坂史朗君が出ている芝居を見る。言葉のずれ、逆照射による今風のオムニバスでなかなか楽しめた。

 昨日の夢ーーー空間の講習会がよそのプロダクションがしきってくれることになり、会場が小学校の空き教室になった。行ってみると床がとても汚れていて皆でモップをかけることになった夢ーー

 数日前の夢ーーーまたまた亡き父がなにかの用で私を誘って食事に出かける。(用はなんだったかどうしても思い出せないが、それがこの夢の鍵かも)回回春という名前の店(笑?)そこで食事して外へ出ると私ははだし。父は店に忘れたのだろうからマスターに問えと言う。運転のできない私が助手席から右に半身乗り出してハンドルを握り、くねくねした道の突き当たりの回回春へーー

 先日の向こう岸へ漕げないボートを漕いで行く決心の夢を、最近決まったある仕事と関係あるのかと言ってくれた人がいました。ふと、そんな気がして夢を記した次第ーーー
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by nihon_buyou | 2010-04-25 07:55

宝生和英の能・飲めないこと・近況雑感 4.24

 昨日はひそかに応援している若き宝生宗家の「小鍛冶」ーーー多くの人に能に親しんでもらおうと頑張っています。若いスタッフで盛り上げているせいで、ある種のデザイン性があるのが長所。演出力がないのが短所でしょうか。(詳細は「能楽タイムズ」来月号に書かせてもらいます)

 何事をやるにも、いろいろな人々の力や才能を借りないと一つのことはできませんね。
 まあ当たり前のことですが、人それぞれの感受性、考え方、生き方、そしてテンポがありますもの。こちらの思うようにはなかなか進行しなかったり、真意が伝わらないことはままあること。いや、そのほうが常態なのでしょう。

 俗に言うところのツーと言えばカーまで行けば、いちいちこちらの真意や相手の思惑を忖度しなくとも事が運ぶので楽ですが、そうなるまでには時間や努力も必要ですが、相性もあるでしょう。

 私にもそれぞれの、特に仕事の場所で、お互いがなるべく多くの部分でシンパシイーを持てる相手を探すことと、そういう関係を育てることを心がけます。
 お酒の好きな相手とよく飲むのもそんなことからかもしれません。でも、この処、体調管理を考えて控え始めています。一番いけないのは、ある量や時間を超すと限度がわからなくなることです。さらに自分の限度が考えられなくなり、ひたすら相手のペースに合わせますから翌日ばかりか、しばらくの間、体調を狂わせるクセがあることです。

 ホントはもうとっくの昔にこんな欠点を自粛していなければならなかったのですが、ようやく程のいい処で切り上げる「勇気」を自分に言い聞かせ実行し始めました。
 飲めてた時代があったことーーーこれが自分にとっては忘れられないし、今でもともすれば大丈夫と多寡をくくります。そして翌日からの地獄ーこれを何十回繰り返したことでしょうか?(笑)
 たぶん、そんな私の時代を知る友にとっては首をかしげられるのでしょね。まあ、年齢が近く、同じような具合に変化を迎えている兄弟分にはお互い理解しあえていますがーーー(再笑)

 といっても、お陰さまでどこが悪いわけではありません。何事においても、悪くなる土壇場でブレーキがかけられるのは昔から特技でしてーーー

 いま原稿に追われつつ、相変わらず資料漁りや夏以降の準備・勉強を重ねてやっています。

 5月9日、楽千代の会での「狐の嫁入り」の振り移しはなんとかできました。お陰さまでチケットももうじき完売になるそうです。プロデュサー的な仕事もこの会と6月の女流義太夫の会は私が兼ねているので、昨日はそんな事務的書類の整理もしました。

 明日は叔母の西崎流みどり会の小会。こちらの書類もこれから書き上げ、明日の会に備えます。そして今日は東京バレエ団の「ザ・カブキ」と夜は小劇場で芝居を見ます。
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by nihon_buyou | 2010-04-24 09:38

GEOSのことなど 4.21

 また同じ話題ですが、何度言ってもダメなものはやはりダメなんですねえ。

 この話題はこれでやめます!!!


 この処、本とDVDを立て続けに見ているせいで、目がしょぼしょぼしています。目だけは自信があるのですが、能舞台が少し霞んで、はっきりした映像を結んでくれなくなったのにはやはりショックです。

 世間で言う老眼になりかかった時には自力で訓練して半年で治しました。またあれをやるのには、だいぶ勇気がいるので、まずは徐々にビタミン類を意識的に多めに採ることから始めました。温熱湿布も時折。そしてラマ僧の体操。これで効果なければ、あのプロジェクトへ突入ですが、たぶん今度はそこまでせずとも治りそうな気配です。

 ちょいと秋にアメリカなんてお話あって、英会話を復活しなけりゃ、と思ったらGEOSが破産したというニュースでビックリ。今回のアメリカ行きのお話の元は、もう10年近く前、駅前のGEOSに長女と一緒に通った折にお世話になった女性からのお口聞きだったからです。ふーむ。

 ビールの量を減らしています。というより、以前の調子で飲むと翌日つらく、使いもんになりまへん。とにかく人といっしょでなければ、あまり飲まないですみます。まあ発散しながら飲むのも残らないでいいですね。あまり飲まないか、発散できるお相手と飲むか、どちらかです。それじゃあ、どっちにしても飲むと言ってるようなもんですね。

 明日は赤羽稽古と叔母の会の打ち合わせに出かけます。
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by nihon_buyou | 2010-04-21 22:58

言わねばならないーということ 4.20

 人に人がものをおしえることはとても難しいものですね。テクニックならまだしも、心とはの問題とか、本人がこれからどうあるべきかをサジェッションすることは時に疲れ果ててしまいます。

 昨日は周囲の一人一人に対して別々の課題を話したのですが、皆それぞれ理解度が違うので、それに合わせて言葉を選び、力を強めたり弱めたり…それでも自分とは関係ないと思う者もあれば、どんなに力瘤を入れても真意が伝わらない者もいます。
 もちろん、人はその立場になってみないとわからないことが沢山あって、師匠や先輩の注意を鵜のみにするのでなく、なんでそう言われるのか咀嚼できるとなると、それは一種の才能になるかとも思えるようになりました。やはり説教を受け取るにも、これまたイメージ力でもあるんですね。

 そして何より、人に何かを言うということは、取りも直さずすべて自分に還ってきてしまうということ。その還ってくる覚悟を定めないとならない。もちろん、それが自分にいい形で撥ね返った時は成長につながります。が、いったんは恨みを買ったり、批判に曝されることすらあるものです。が、実は却ってそのほうが自分をより強くしてくれることにもなるものです。だから、誰もが人に言えるような自分ではないのは充分わかった上で、立場として言わせて戴くのですね。それは年齢をふるに従い、それぞれの立場にたつにに従い、自ら買ってでも自分に課さなければならないことなのですね。皆に言い顔を誰でもしたいし、怨まれたくはないものですもの…ある年齢や立場に達していても、芸が一向に伸びなかったり、評価をされなかったりはえてしてこれを厳しく課さないからでもあります。陰で思い、陰で言うことは易し。表現は難しかもしれません。

 部屋が4分の1片付いたかなの感があります。結局、ゴミ袋は3つ。書斎はこれからですから、どれだけ出るのか恐怖でもあり、これが片付いたあかつきにはーと思えば嬉しくもなります。一番苦手をなんとかーーー頑張らねば!ねば、ねば、ネバーギブアップですね。
 
 夜、友人から電話があって、久しぶりに会社のこと、家庭のことなどを聞きました。数年会わない間に随分と変化があるものです。
全てが決まった後の知らせですから、友人は自分の至らなかったことや反省を冷静に語っていましたが、ここに至るまでの心労さぞやと思いやられます。

 その後、芝居の若い友人から電話。なにかいっしょに出来るといいなとあれこれ考えている自分に気が付き、つい笑ってしまいました。私もやはり好きなんですねえ。
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by nihon_buyou | 2010-04-20 06:48

久能山という声 4.18

 昨日の雪ー先週はアイスランドや中国で天変地異がありました。
 たいへんな時代になりました。ますます芸能は自己表現だけにとどまってはいられなくなりました。

 お酒を飲まなかったせいでしょうか、昨日も夢を見ました。たくさんのメッセージを戴きましたが、何度も「久能山」という名前が繰り返されました。ちょいと気がかりで調べてみたところ、きのう17日が御礼祭だったと知り、びっくりしました。なにかを教えてくれているようです。

 今日はみどり会の下浚いにこれから向かいます。一時からですが、もう民謡集に出演の人たちは、すでに10時から稽古を始めているようです。さあ、私も出発です。
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by nihon_buyou | 2010-04-18 10:09

梅若万三郎の砧 4.17

 掃除はしてもしても片付きません。というより、大の整理ベタだからでしょう。
 それに加えて毎日増える郵便物に本やCD・DVDなどの資料…汚す我はいても、掃除する我は不在。細かい分別の段階でストップです。

 今朝の寒さはなんだったのだろうと思っていたら、道の隅にまだ解けないで凍った残りの雪を見て、思わずため息。やはり天候があやしい。地球がおかしくなっていまし。

 午前中は空間の「狐の嫁入り」の稽古。
 午後からひさしぶりに梅若万三郎の能「砧」ーー冷えに冷えた謡の中、寂寥に立ちすくむ女の自問自答が胸を締め付けるようでした。
 ホントはもう一曲のつもりが、胸がいっぱいでそのまま退席。万三郎さんに留守電入れて、それだけで込み上げてしまうほどでした。(これに関しては能楽タイムズに書かせてもらいます)

 そんなわけで今晩は静かに勉強。できたら片づけ。

 明日は朝からみどり会の下浚い。
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by nihon_buyou | 2010-04-17 16:26

ワヤになって 4.16

 どうしたことかー今日はブログを2度ともワヤにされてしまいました。ちょっと愚痴を書いたからかも知れません。

 というわけで、これが三度目。そんな日もあった記録ということで、今日はこれぎり~
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by nihon_buyou | 2010-04-16 13:22