カテゴリ:バレエ・舞踏・現代舞踊 他( 8 )

スターダンサーズのジゼル そして風邪

 風邪で咳がだいぶ出始めたので、チケットを誰かに譲ろうとしたのですが、結局、その日では皆御用あって、自分でパブロン飲んで、スターダンサーズバレエ団行ってきました。

 そのせいでしょうか?熱っぽくて蒲団にもぐったら、もうこんこんと眠り呆けてしまいました。
 
 今日は赤羽稽古を皆に任せ、それでもやらねばならぬ助成金申請の書類審査を蒲団にくるまりながらやっています。

 バレエは「ジゼル}でした。ピーター・ライト版の演出なので、ジゼルの狂気に至る過程や、剣で自殺を図る件、ドイツの片田舎の民間信仰とキリスト教との関係などがよくわかります。

 またジゼル役の林ゆりえも劇的表現がなかなかで狂乱から死に至る急展開に説得力がありました。
 それにしてもジゼルの元カレ?のヒラリオンは気の毒ですよね。たまたまアルブレヒト王子が出てきてしまったために、ジゼルに死なれ、挙句の果てには妖精らの呪いで殺されてしまうんですもの。まったく人のわがままな恋路で命まで落とすーこのあたり、どう解釈したらいいのか、恋愛至上主義のためにはこんな結末が許されるんでしょうかね。

 もちろん、こんな事、日常ではよくあることでしょうが、作品としての昇華としてはもう一つすっきりしません。もしかすると、西欧での思想や信条に由来するのかもしれませんね。このあたり、詳しい方いらしたらご教示願います。

 それはともあれ、また少し眠って、また蒲団くるまって仕事します。
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by nihon_buyou | 2010-01-25 13:43 | バレエ・舞踏・現代舞踊 他

谷桃子バレエ団のドンキホーテ

 突然の咳です。まわりに咳している人がいたので気をつけていたのですが…

 昨日は谷桃子バレエ団創立60周年記念公演で「ドンキホーテ」を見ました。キトリは今回が初主役の林麻衣子。この大胆で思い切りのよい演技が実によく、リフトでも足を垂直に180度開いて高く美しく何度も連続して飛翔する姿に思わずため息が出るほどでした。新人とは思えぬ堂々と伸び伸びした踊りっぷりに新星誕生の瞬間を見た思いでした。
 酒場の踊り子をやった宮城文も妖しげでいながら切れ味がよく、スリリングな振り付け共々、私を突然スペインの街角で連れ浚っていった感のある好演で心に強く残りました。
 
 キトリの相手バジルの斎藤拓も負けず劣らぬ切れの良さで、次が予想もつかぬ展開を見せてくれました。
 これら若手の大健闘で会場がどよめく中、ふとプログラムを見れば、斎藤拓はあの斎藤彰さんの息子さんと知ってびっくりしたのです。

 この父君の斎藤彰さんは、私が23歳の頃、小鍛冶を新しく振り付けして、神霊をバレエの人にやってもらいたいと人を介して頼み、共演した方でした。もちろん随分年上のの人だったにですが、私の言う青いことや振り付けを首をかしげながらも嫌がらず付き合っていただきました。
 その後、ずっと年賀状のやりとりは続いたのだが、あちらが引っ越したか?ここ何年かは途絶えていました。そう言えばこのバレエ団で「ドンキホーテ」が出た時、彼のサンチョ・パンサをメルパルクホールで見て、久々の再会を果たしたことまで思い出していました。

 そんな懐かしくも恥ずかしいようなわがままな舞踊に付き合ってくれた人の息子さんのバレエを見ながら、若手の充実した舞踊に感動している自分…ふと熱いものが胸に込み上げた一夕でした。
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by nihon_buyou | 2010-01-24 09:16 | バレエ・舞踏・現代舞踊 他

珍らしいきのこ舞踊団

 昨日は夜8時から世田谷パブリックシアターで、珍しいきのこ舞踊団。
 いわばダンスの庶民派・大衆派といった感でなかなか楽しめました。スリムで鍛え上げ、ストイックに肉体を虐める洋舞共通の痩身がなく、健康的な太腿や、意図的に削り取った肉体ではない、ごく当たり前の身体がそこにあるのが、フォークやニューミュージックの親近感に似ていました。

 冒頭のストップモーションから、徐々に速度を上げ、音楽もダンスも通常のテンポを回復した時の爽快感がいい。言ってしまえばここが唯一ダンス。映像の牧場でエキササイズめいたダンスしながら彼氏などの日常会話するシーンにこのグループの良さが出ているが、ここの未完成さ、素人っぽさを受け入れるかどうかで評価や好き嫌いが別れるでしょうね。

 切り出しと映像のビル群がポンポンと誕生する件は、都市創成譚として気楽・無責任・お遊び的ノリで楽しめるはずのクライマックスだが、ここがもう一つ盛り上がらないのは、このノリ自体が劇場という器に合わなかったからでしょう。やはり小劇場で、観客を仲間に引き入れて一体となってふざけてこそ面白いシーンですね。
 
 それにしても妙にアートぶらない処が好もしいグループでした。
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by nihon_buyou | 2010-01-23 06:34 | バレエ・舞踏・現代舞踊 他

ミラノのコメディと谷桃子バレエ団

 7日に迫った朝丘雪路さんとの対談の資料集めーーー考えてみれば、ほとんどあちらのことを知らない。ただ一方的にテレビや舞台でみていただけだからだ。やはり一時間半の番組にするには勉強(笑)資料読みながら劇場へーーー

 世田谷パブリックシアターで、ミラノピッコロ座の「アルレッキーノー二人の主人を一度にもつと」
 これは一週間前の野村萬斉の狂言「縄綯」の設定と見比べよとのことだが,劇の構造からして違うので比較にはならない。が、スピーディーな展開や道化役がさまざまに困惑に際しての「芸」を披露するのが面白い。2部屋同時に料理を運ぶシーンなど、設定・訓練など秀逸だ。コメディには昔はこの種の芸の見せ場が必ずあった。狂言との比較より、私は三木のり平・八波むとしの玄冶店や森川信の節劇を思い出していた。

 夜は谷桃子バレエ団創立60周年記念公演で新国立へーーー「ロミオとジュリエット」も「令嬢ジュリー」もクルべりの振り付けで当時はセンセーショナルであった面影は残っている。
 前者ではふたつの家やその確執を青と赤の衣装にはっきり色分けしてヴィジュアル化、単純化し、ラストの二人の死体から手が「木」となって生えるロマンティシズム。後者では、性的欲求が抑圧された環境の中で暴発し、さらにはセックスによる男女関係の激変に翻弄され死を選ぶ女性の夏至祭一晩の出来事というスキャンダラスな設定など。しかし、今の目からは主人公の行動や死があまりに短絡に見えるし、踊りだから、時間の枠があるから仕方ないといったご都合にしか見えなくなっている。それほどに新しさは常に時間、時代との息遣いとの勝負でもある。
 新鮮さはすぐに風化していく。その花の生命を世阿弥は説き続けた。

 隣りあった国吉さんから「いま日本舞踊の世界から考えられないヤツが出てきたなんてことないですか?」と問われて「若者はすべて保守になりました」と答えて驚かれた。
 狂言の帰りには小林責氏から声をかけられ、ジャーナルでざざん座のことを書いたことで彼らの励みになるだろうとお礼を言われた。もしもそうなら大慶なりだ。
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by nihon_buyou | 2009-07-05 10:39 | バレエ・舞踏・現代舞踊 他

森下洋子のシンデレラー人間の徳性

 崇高なまでのメッセージを宿した「シンデレラ」を見た。清水哲太郎=振付演出、森下洋子=主演による松山バレエ団の公演。
 私たちがこの物語に対する先入見とも言える、虐待を耐え忍んだ娘の玉の輿物語とはまったく異なる作品になっていた。正しい父母の教育を受けたシンデレラが継母・義姉との生活の中でも、ますますその徳性を磨き上げることによって、多くの人々に善性を目覚めさせ、ついには国の、人々すべての徳性を甦らせる物語だったのだ。
 演出の清水はそのプログラムや終演後のメッセージでも、働くこと、さらには美しく働くことの素晴らしさを今回この物語から新たに発見している。その尊いまでの美しさは、このバレエ団の掲げる真善美の追求とも重なり、どこか信仰にも似た熱狂・献身を感じさせる。現代の良識とやらでは、信仰の話題は胡散臭いものとして慎重に発言しなければならなくなっている。が、実はその態度すら私たちが情報の操作によって現代教に洗脳されたものでしかない。やはり清水の言うように、真善美をひとたび見出したなら迷わずそれに邁進するのが人間としての徳性ではなかったろうか?まして舞踊に身を捧げる者は、ある意味でどんな立場・実力・才能であろうとも、理想を追い求める事を許される最短距離にいる人々だった筈だ。
 今回の舞台は優れた娯楽ではなく、自分の生き方を洗い直し目標を定めさせ、心を奮い立たせる天啓ともなった。いま、このバレエに接しられたことに感謝ーーー
 
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by nihon_buyou | 2009-05-04 12:31 | バレエ・舞踏・現代舞踊 他

NBAのバレエでーー

 NBAは創立15周年で、バレエリュス100周年にちなんだ公演。(22日所見)「ショピアーノ」はレ・シルフィードでお馴染みのバレエ。音楽に詩情があるから、それだけで舞踊心をそそられる。逆にいえば、音楽を聞けば踊りの動きがそれ以上でも以下でもないのが納得できるので物足りない。日舞でいえば、ちょうど大正期に創られた新舞踊運動の作品群のような感触。妖精や化身に対するロマンチシズムが現代においては、もっと刺激的、挑発的な概念のほうへ移行していることもある。 
 「牝鹿」では男性3人が体育会系の構えに終始するのが、いま流行の漫才師の一人を思い出させてなんとも奇妙。ここに東北の鹿踊りを思い出させるピンクのフサフサたてがみ髪飾りをつけた女性軍、さらにニュウハーフとも場違いKY気味の衣裳と動きのプリマが出るので、当時の美の混沌ぶりが見え透くようだ。ふとニジンスキーのあとさきに、この種の思潮の試行錯誤、混乱が数多くあったことが想像された。
 
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by nihon_buyou | 2009-02-24 10:49 | バレエ・舞踏・現代舞踊 他

梅まつり・麿赤児の男気・にしんそばに 三宿の寿司屋

 湯島天神の梅まつりの奉納舞踊ーー前の演芸が少しずつ伸びたとのことで、われらの時にはすでに20分の遅れ。曲目9番を27分で消化して3分取り戻してくれたと、役員さんに些細なことで褒められる(笑)端唄・歌謡曲を中心にしたプログラムは年輩のお客様に喜ばれる。観客サービスに季刊誌を配布。ポニョを歌っている大橋めぐみちゃんのお祖父さんが音響を担当してくれていて、昔、大宮デン助劇団でご自身も歌っていた話などを舞台裏で興味深く聞く。
 この舞台を終えて、やぐらでのニシンそばはやはり美味しい。つゆのだしの旨味にとろけるような磨きにしんのコントラスト。そばはふだんなら絶対口にしない細く柔らかな麺だが、総体の円やかな味わいに合うのだ。
 夜は麿赤児さんの舞踏。客席で西田堯氏,平野英俊氏、池野恵さんらに会う。いわゆる舞踊的な振りはなく、ヒトの動きの奇態さと肉体の奇妙さが全編を蔽って、存在の切ないまでの哀しさ、いや滑稽さを描出していく。色彩でも白と赤のさまざまな異相をヴィジュアル化する技はいつもながら感心する。それらを含めて、テーマすら笑い飛ばしてしまう男気が嬉しい。蒼く女々しい哲学はいらない。肉体や動き、そして世界に対する日々の発見をにやつきながら遊んでいる大先輩の生きざまが羨ましいほどだった。
 帰りにプロデュサーの新船さんに麿さんに会っていってと言われたが次の店へ行きたかったので早々に辞去。空間の皆と三宿の寿司屋佐藤へ行く。今日の舞台のホントの打ち上げと3月7日のガバロウ前祝い、そして麿さんがよかったのをすべて兼ねてーーここはちょい見にネタケースを覗いただけでは大丈夫かと不安にさせる。が、出すものは上品でこ綺麗に並び、味もなかなかだ。押しつけがましくない。大好きなアサヒと八海山が出されのもありがたい。上質な仕事と舞台、そしてウマい食べ物を堪能できた一日。
 
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by nihon_buyou | 2009-02-22 10:27 | バレエ・舞踏・現代舞踊 他

湯島天神梅まつり・麿赤児さん

 今日一時半から湯島天神の梅まつりで、おどりの空間メンバーによる奉納舞踊がある。昨日の夜はその稽古で録音したはずのMDが記録されていなかったというハプニングがあった。が、舞踊のほうは若手が活躍していて、未熟なりの清々しさがあっていい。
 日舞はプロとアマの境が曖昧というか、無いに等しい状態にある。その為、さほど芸がなくても、人間関係や押しの強さで舞台を獲得していることが結構多い。かく言う空間でもその傾向が皆無とは言えない。やはり内部の人間関係もキャステイングに微妙に影響を与える。これも生存競争の一つかもしれない。
 舞台のあとは近くの櫓という店でニシンそばを食べて打ち上げをするのが恒例だ。そして、今晩は舞踏の麿赤児さんの公演を見に世田谷パブリックまでみんなで出かける。ちょっと楽しみな一日だ。
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by nihon_buyou | 2009-02-21 09:24 | バレエ・舞踏・現代舞踊 他