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わたしの記念日 10.31

 毎日の師匠業で、なんとなく社会からうとくなった気がします。
 朝から晩まで次仝とやってくる門弟らと顔を合わせ、それぞれに合った稽古をしたり、時には迷った道の方向を示唆したり…丸一日をそんなふうに過ごしてさらに新聞読んだり、TVのニュースを見たりは精神的にも肉体的にもたいへんです。
 昔の師匠たちはこれに耐えていたのでしょうし、逆にいわゆる世間常識に欠けてしまいがちになるのもどこかで仕方のないことだという気がします。

 ただよく間違えるのは世間と社会の区別で、茶の間の奥様たちがTVや新聞で得た情報をふりかざして「社会」と思い込んでいるものは、流してもよい種、操作された情報ですから、もなかのの皮だけを食べているいるような味気ないものです。
 おそらく優れた師匠たちは、稽古詰めの毎日の中からでも情報の数こそ得てはいなくとも人間や社会の本質を見抜く目は養っていたと思われます。それは山本健吉氏がいみじくも「俳諧的なものは天下るもの」と言ったのと同じく、舞踊という一芸に徹した時に天下るものがあったはずです。

 これは気分のようなものでも、考えて得られるものでもありません。やってやってやり抜いている時に訪れるものです。コリン・ウィルソンはいわゆるランナーズ・ハイのようなものが精神上で起きることをX機能と名付けました。未知の覚醒された精神状態で、薬物などを使わずにその状態に至ることを考究してそうなづけました。


 それはともかく、あと一時間未満で明日になるなんていう時間に帰り、ホッとしてTV録画を見るのが最近のマイブームです。つい何カ月か前までは、TUTAYAのデリバリーでシリーズ物を制覇してしまうことにこってましたが、今はその新シリーズが私のペースに追い付かない状態(笑)なので、しばしウサギさんはカメさん待ちで、TVの「相棒」や「ドラえもん」「クレヨンしんちゃん」「笑点」などを気楽に見ています。
 真夜中録画の「プリズンブレイク」のファイナルシーズンは12回目でいよいよ目的のスキュラもダッシュでき、組織の陰謀を暴けることとなり、主人公たちも晴れて自由の身、ついに最終回とホッとするやら残念やらの複雑気分で録画時間を見れば、まだ残りが10分ありました。いやな予感は的中!かれらの努力は水泡に帰し次回へ…思わず声を上げて一人でうなってしまいました。ったくう、やら嬉しい?やら…まだ私までも自由にしてくれないようです。


 こんな時期はつい通販生活ーで、いろんなものが届きました。特に待っていたのは万能茶で、さっそく煮出したのはいいのですが、鍋のふたをし忘れ、せっかくの大好きな香りが飛んでしまったのが今日の失敗です。
 それよりなにより、思い切って、限定30セットの白川静先生の「文字講話」がすべて収納されているDVDを購入。今日届きました。これが今回、私が師匠に徹していることへの自分へのプレゼント。
 そして私がこれを持っていれば身近な人がいつでもみんな勉強できるようになれます。
 財産のない私にとっての宝物がひとつ増えた今日を、わたしは記念日にしました。
by nihon_buyou | 2009-10-31 11:44
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